言葉にできない「カルチャー」が人を決める

先日、外資系コンサルに勤める後輩と食事をする機会がありました。そこで彼女が印象的な話をしていました。

「会社には言語化できないカルチャーがあって、自己紹介の段階で“すぐ辞める人”はわかるんですよ」

この言葉を聞いて、改めて組織の文化の重要性について考えさせられました。企業の採用活動では、スキルや経歴が重視されるのは当然です。しかし、それだけでは十分ではなく、「この人が社内の雰囲気に馴染めるかどうか」が、長く働き続けられるか、活躍できるかを大きく左右するのです。問題は、その「雰囲気」や「カルチャー」が、簡単には数値化も言語化もできないことです。

この現象は、何も大企業やコンサル業界に限った話ではありません。例えば、塾のチラシ配りのアルバイトでも同じことが言えます。業務自体はシンプルで、誰にでもできるように思えますが、実際にお願いすると、塾の「カラー」に合う人のほうが成果を出してくれます。指示通りに動くだけでなく、ちょっとした気遣いや工夫ができるからです。逆に、何となく合わないと感じる人は、真面目に働いているにもかかわらず、なぜか空回りしてしまうことが多いのです。

この違いはどこから生まれるのでしょうか。結局のところ、職場や組織には、表に見えない「文化」が存在します。それは、社内の空気感や価値観、日々のちょっとした所作、コミュニケーションのリズム、さらには仕事に対する暗黙の姿勢のようなものに表れます。しかし、これらはマニュアルには載っていませんし、誰かが明確に言語化して説明できるものでもありません。だからこそ、「合う」「合わない」は、意識的というより、無意識的に、感覚的に決まってしまうのでしょう。

面接官が候補者を見極める際、履歴書やスキルシートでは測れない部分に注目するのも、この「カルチャー適応力」を見極めるためなのだと思います。逆に、求職者が「この会社でやっていけるか」を直感的に判断するのも、そうしたカルチャーの肌触りを感じ取るからなのでしょう。

だからこそ、企業も働く側も、この「言葉にならないもの」を決して軽視してはいけません。スキルや知識があるだけでは、組織にフィットするとは限りません。どんなに能力が高くても、カルチャーに合わなければ、ストレスを感じながら働くことになり、結果として早期離職につながることもあります。

言葉にできないものほど、実は本質的であり、影響が大きいのではないでしょうか。「何となく合う」「この雰囲気が心地よい」と感じる感覚を大切にすることが、長く活躍できる環境を見つけるための鍵になるのかもしれません。

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